2015年8月15日土曜日

叔父をおくる

叔父をおくり、昨晩、帰京しました。
人間はここまで瘦せてしまうのか―、という状態で、叔父は棺の中に横たわっていました。
ひと月前も、既に相当瘦せていましたが、あの時から更に三分の二くらいでした。

肺癌が脳に転移して倒れたのが、9月末。
そこから、一年の声を聞くことは出来ませんでした。
4月からは緩和治療となり、しかし、家族の懸命の介護や、病院の方々の手厚い対応もあ
り、4ヶ月半――、叔父は生への意欲を失わず、頑張りました。

癌という病は、本当に罹った方の肉体、個体そのものによって、病状の進展は千差万別と
言いますが、そのことを痛感させられました。
今の医療では、治ることが見込めなくなった時点で、退院余儀なく、自宅療養となります。
今回叔父は、自分が卒業した大学で、多くの後輩達が寄せた彼への畏敬の念と共に、長い
期間、素晴しい環境で過ごすことが出来ました。
これは紛れもなく、彼のこれまでの仕事に対する姿勢や、その人柄そのものだと思います。

そのことは、まるで森のように並び切れないほどの供花――、通夜や葬儀に足を運んで下さ
った方々にも表れていました。
叔父を慕う方々はとても多く、医者という仕事は、恐らくどの業界よりも、タテとヨコの
繋がりがとても強く、深いのだと知りました。
葬儀では三名の方々が弔辞を読まれましたが、何れも彼の人柄が窺えるユニークなエピソ
ードを披露して下さり、あまりに彼らしく...、その情景が目に浮かぶようで、不謹慎なが
ら、くすり...、としてしまいました。

叔父には三人の息子がおり、三名共、医療の世界に。
叔父は惜しくも、これからが第二の人生――、というところで浄土に向かいましたが、従
弟たちの背中を後ろから見ながら、その遺志を三人がしっかり受け止めていることを感じ
て、涙が出ました。

叔父に想いを寄せて下さった方々と、彼がこれまでに誠心誠意取り組んで来た仕事の数々、
その生き様に思いを馳せ、しまうま自身も、人生、もうそう沢山の時間は残っていない――、
と改めて感じ、毎日目が覚めて、新しい一日が始まる――、そのとてもシンプルなコトを、
大切にしなくてはいけない...、と。

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