2011年4月19日火曜日

Amour Fou―Yves Saint Laurent と Pierre Bergé



今週末から上映される《Amour Fou(狂気の愛)》――、邦題《イヴ・サンローラン》。
http://www.ysl-movie.com/

Yves Saint LaurentとPierre Bergéの映画を昨秋の或る晩――、出張中のパリで観ました。
今、日本では関係者向けの試写会も連日続いています。
http://goo.gl/uaQBj

TV局が製作した映画なので、恐らく――、程なく仏国ではTV放映に、そしてDVDにもなると思います。

Yves Saint LaurentとPierre Bergéの関係と――、
Yvesが収集してきたアート・コレクションをPierreがクリスティーズに競売にかける――、
そのふたつのストーリーがシンクロしながら流れていきます。

ん――、これはですね…、
切ない映画だったなぁ(溜息)・・・。
その後、書店で《Lettre à Yves》(Yvesへの手紙)というBergéの本も買いましたけど(邦訳ももう
直ぐ出るみたい)――、 本当に切なかった・・・。
途中で気分が滅入ってしまったほど。

YvesはPierreがいたからこそ、その才能を羽ばたかせることができた――。
でも或る時期、ドラッグやアルコールに溺れ――、それがふたりの間を隔てた。
でも結果、PierreはYvesを見捨てなかった・・・。


映画を観終わった数日後に、ふと思ったのだけれど――、
あの尋常ではないアート・コレクション(オークションで落札された額面として、個人収集としては巨
額の約500億円)。
Pierreは、まるで子供をあやすように――、これをインセンティブに彼のクリエーション魂に灯を点け
続けたのかもしれない――。
だからこそ、彼が亡くなったことを機に、これをYvesとの思い出――、として側に置くことよりも、全
てを――、売却することを選んだのかもしれない――、そう思いました。


いずれにしても、この映画を通して、Yvesのクリエーションを支えたのはPierreの愛――、
そのものだったし――、成功する仕事には――、
単にそろばんだけじゃなくって――、そういう個人の想いや(ベタだけれど)愛も必要――、
そう改めて思った・・・、次第です。

◆ ◆ ◆ ◆ ◆
《International Business Times》より転載
http://goo.gl/55BXv

約150年前に紛失した中国の青銅彫刻品含む、有名ファッションデザイナーであった故イブ・サンロー
ラン氏が所有していた収集品733点が出展された仏パリで開かれたオークションで、総額5億ドル近くの
売上を計上したことが25日、明らかになった。

グラン・パレでサンローランオークションが開催された。フランス首都パリ。2009年2月23日(AP通信)。
オークション主催者によると、わずか3日間のオークションで記録的な売上となり、総額4億8,400万ド
ル超となったという。同オークションは当初2億5千万ドルから3億8千万ドルの売り上げを想定していた。
サンローラン氏の遺産相続人としてオークションに出展したピエール・バージ氏は「結果に大変満足し
ている」と述べた。

中でも1860年に英仏連合軍が中国清朝の離宮であった北京の「円明園」から略奪した「十二支動物像」
のうちの2体については、それぞれ1,800万ドル(約17億5千万円)で落札されたという。
買い手については明かされていない。

競売に出された十二支像のうちの2体は噴水時計の一部であった青銅のネズミとウサギの頭部の像。
昨年6月に2体を所有していたデザイナーのイブ・サンローラン氏が死去したため、ピエール・バージ氏
が出展するに至った。

なお、中国では同国に2体を返還するのが正当だとして、競売中止を要求する弁護団も結成されていた。
これに対し、オークション主催者側は、「銅像は合法的に取引されたもので、出展には問題がない」と
訴えを退けていた。

中国とフランスの関係は北京オリンピックでの中国人権問題を仏サルコジ大統領が強く批判、オリンピ
ック開会式出席を拒否したことなどから、緊張関係が高まっている。

世界景気後退懸念が高まる中、オークションの売り上げ好調は、芸術市場にとっては良いニュースとし
て受け入れられた。今回のオークション売上高の大部分はエイズ研究支援のために寄付されるという。
サンローラン氏は半世紀にわたり多数の名品を収集してきた。同氏の収集した作品はパリで競売にかけ
られる前に、米ニューヨークおよび英ロンドンで公開されていた。同氏は昨年71歳で死去した。

◆ ◆ ◆ ◆ ◆

【写真:引退表明をするYves Saint Laurent】※映画のワンシーンより

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