2011年7月21日木曜日
映画 『ちいさな哲学者たち』
台風6号はうねうねと――、本州に寄ったり離れたり(困惑)。
思ったよりゆっくりとした動きで――、これから北上していくようで心配です。
明日の東京も雨が強そうなので、みなさん、どうかお気をつけて。
■ ■ ■
今日は急に予定が変わったので、仕事の後、『ちいさな哲学者』を観に新宿・武蔵野館まで。
しかも今日は水曜日で女性は割引があり、ちょっと嬉しかったです(単純・笑)。
実は既に土曜日に観に行こうとしたのに、何と!立ち見で断念。
今日はリベンジ!と相成りました。
これは2010年に公開されたフランスのドキュメンタリー。
2007年にスタートした、パリ近郊のZEP(教育優先地区)にあるジャック・プレヴェール幼稚園
の――、2年強に亘る、世界でも初めての取り組みである『哲学』の授業の記録です。フランス
と言えば、名だたる哲学者を生み出している先進的国家ではありますが、実際に学ぶのは15
歳~18歳という教育の最終段階なのだそう。
プロダクションノートによると、ZEP(=教育優先地区)というのは応用学校のこと。
しまうま、初めて知りました。
応用学校とはIUFM(=教育養成大学院)との連携の下で革新的な教育法の推進を図るプラン
に参加している学校のことで、“教育優先地区”というのは、特に移民の多い地域で実践されて
いるのだそうです。
映画に出てくる子どもたちは、様々な国籍をオリジンとしていているのは一目瞭然。
その中で女性教師である パスカリーヌ先生は、様々な問いを投げかけていきます。
3歳や4歳だと思って、侮ることならじ!
本質を突いている発言多々(驚)。本当に興味深かったです。
いろいろなことがあった2年強。いよいよ彼らが年長組になった時――、
「小学生になったら“哲学”の授業が無い」ことへの不安を、子供たちが口々に訴える最後は本
当に印象深かったです。
あのクラスには、その後の彼等に待ち受けるであろう――、オリジン/所得格差/ジェンダー等
(あ、恋愛も含む)の問題なんて存在せず、完全にフラット。
あぁ――、これが大人になっても続いたら、世の中、相当違うだろうな――、そう思いました。
映画の中には珠玉の言葉が本当に沢山あったのになぁ…、メモ等取れず(涙)。
また観に行くか(笑)ー!
■ ■
しまうまは、到底“哲学” を理解出来る能力ないのですが(恥)、今日の映画を観ながら――、
しまうまが6歳の時に亡くなった、母方の祖父を思い出しました。
彼の専門は『教育哲学』。
彼が生きた時代に進んでいたのはドイツだったようで、母の実家に行くと未だ原書が多数残って
います。
今日観たようなコトが、もしも日本でも成されたとしたら――、祖父はきっと狂喜乱舞したのではな
かろうか――、そんなコトを勝手に思ったり(妄想は膨らむ)。
でもそれから数十年経っても、ようやくフランスがスタートしたところ。いろんなモノゴトの道程の長
さを感じざるを得ないですね(しみじみ)。
そうそう、映画の中で “réfléchir” と “penser” のことが出ていて――、
どちらも日本語に簡単に訳すと“考える”――、
しまうまは長年、後者は確かに“考える”だけれど、前者を“熟考する”意で捉えていたのですが、
字幕を手掛けた方は前者を“脳を使う”、後者を“考える”と訳しておられて――、「なるほど!流石
だなぁ」と思いました。
詳細は是非、こちらの公式サイトをご覧下さい。
http://tetsugaku-movie.com/
【写真:映画のポスター】
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