2011年7月9日土曜日

L’Homme qui Plantait des Arbres――フレデリック・バック展



今日、東京は梅雨が明けました。
例年より12日早く――、去年より8日早いそう(驚)。
来週一週間の天気予報を見たら――、全て晴れ。最低気温25℃、最高気温は32~33℃。
これが現実――、受け止めるしかないです(涙)。

や、数年前から薄々感じてはいたのですが、こう何と言うか――、暦の在り方が本当に変わりましたね。
いろいろな製品やイベントの企画も――、暦ありきで考えてしまうと、生活者の実際の“体感”とは微妙に
ズレてしまいそう。
震災のことはもとより――、今年は改めていろいろなコトをゼロ・ベースで考える――、良いきっかけの年な
のかもしれません。
■ ■ ■

今日は2日から現代美術館でスタートした『木を植えた男(L’Homme qui Plantait des Arbres)――フレ
デリック・バック展』を観に。
地下鉄を中心に、今、このポスターをよく見ると思います(写真)。
しまうまもホケーーーッと、電車の広告を見て気付いたのがこのポスター。

「ん?フレデリック・バックって誰だ???」

しかも、ゴッホのような風貌の男性の姿。
でも現代美術館が今夏フューチャーするくらいだから、何かあるのかな――、そう思っていたところ、先週、
J-WAVEに出演していたMonkey Majikとクリス・ペプラーさんのインタビューを聴いていたら、耳が釘付け!
スゴイ展覧会なんだ!と思って――、でも毎日18時に閉館してしまう美術館。

思い立ったら――、ということでお休みの今日、行ってみました。
詳しくはWEBを。
http://www.ntv.co.jp/fredericback/back.html


ここ数年、現代美術館の夏の企画はスタジオジブリと組んだものを展示。

去年は『借りぐらしのアリエッティ×種田陽平』、その前は『メアリー・ブレア』、そのまた前は『スタジオジブ
リ・レイアウト』等々。その一環での今回の展示です。

遡ること25年以上前、宮崎駿さんや高畑勲さんがバックさんの作品に感銘を受けたことがきっかけで――、
今回の展示に至ったそう。
■ ■

本当に不勉強で――、フレデリックの存在は初めて知りました。
今回の展示は彼の一生の軌跡が――、痛いほど伝わってくる内容で――、彼が絵にどれだけの想いを込め
たのか――、そんな器用さを持ち得ないしまうまは、こんな風に目の当たりにする情景を描けるフレデリック
さんを本当に畏敬の念を抱きます。

アカデミー賞を受賞したように――、また宮崎さんが感銘を受けたように――、
日本のアニメーションとは全く異なるアプローチ。
どう言ったらいいのかな…、何とも言えない筆の質感――、情景の描き方があります。

アカデミー賞を受賞した『木を植えた男』は5年の歳月を掛けて――、2万枚ものセルをほぼひとりで描き上げ
たのだそう(驚異)。
荒涼とした地に黙々と――、ひたすらどんぐりを埋めて――、それが徐々に林になり、森になり――、
素晴らしい地に変わっていくというストーリーですが、物事の何かが始まる時というのは、決して大きな何か
ではなくて、たったひとりの人間の行動が変える力を持っている――、そう伝わってきました。
奇しくも――、荒涼とした不毛の地は、今回の被災地ともシンクロする部分があり、希望を失わない――、
そういうメッセージとも受け取れました。人間の持つ可能性について…
展示では、彼のキャリアの変遷を時系列に展示していますが――、この『木を植えた男』が、その集大成とな
った――、そのプロセスが刻銘に分かります。

今回の展示は子供向け――、というよりも寧ろ大人向けかもしれません...

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